お菓子やチルド・冷凍食品など、様々なパッケージの製造販売を手掛ける朋和産業株式会社は、アメリカで新会社を立ち上げることが決定しました。新会社の立ち上げにより新たな市場への参入することになりますが、どのような狙いがあるのでしょうか。

今回は朋和産業株式会社が新たに設立する「HOWA Packaging, Inc.」の詳細と、アメリカのパッケージ事情についてご紹介します。

新会社「HOWA Packaging, Inc.」について

朋和産業株式会社は2021年4月1日に、100%出資でアメリカ・デラウエア州にてHOWA Packaging, Inc.を立ち上げたことを発表しました。主な事業内容はプラスチックフィルムや紙などの軟包装資材、販売促進ツールの企画・販売となります。なお、新会社の所在地はテキサス州ダラス、事業開始は2021年6月からを予定としています。朋和産業株式会社はアメリカでも製品輸入を行っていましたが、現地に営業拠点を置くことで事業拡大に拍車がかかるでしょう。

アメリカに会社を設立した理由

今回、アメリカに新会社を立ち上げた理由は北米地域でプラスチックフィルムを使ったパッケージの需要が高まっているからです。アメリカは先進国の中でも人口が増えており、空けやすさや取り出しやすさ、食べやすさなどを配慮した食品パッケージに潜在的なニーズがあると、朋和産業株式会社は考えています。

元々、朋和産業株式会社は使い勝手の良いパッケージの企画から製造までを得意とする企業です。現地に営業拠点を構えることで、アメリカでも商品企画からパッケージデザインに関わることができ、現地企業に向けて売れる商品作りのサポートが可能となります。すでにアメリカでも製品輸入を行っていますが、営業拠点ができることで販路の拡大につながる可能性も高いです。強みを活かしたサービスや商品をアメリカでも提供し、新たな市場を切り拓いていくことが朋和産業株式会社の狙いと考えられます。

アメリカのパッケージは開けづらい?

アメリカのパッケージの開けづらさは、現地の人や移住者にとっては日常あるあるとなっているようです。同じパッケージでも日本とアメリカでは、なぜ開けづらさに違いがあるのでしょうか。

ハサミやペンチなどの道具がないと開けづらい

アメリカのパッケージがどれだけ開けづらいのかというと、パッケージによっては、ハサミやペンチなどの道具が必要というレベルです。例えば通販で届く段ボール箱でさえ、粘着度の高いガムテープによりしっかり留められているのでカッターや鍵などを使いこじ開けている人が多いと言います。プラスチックパッケージも全体が固く留められているので、手で開けることは難しい仕様となっています。

日本はパッケージにもおもてなし精神がある

日本企業の多くは商品開発においても「おもてなし精神」が重視される傾向にあります。商品が開けにくくないか、捨てにくくないかという点に配慮してパッケージデザインが考えられています。そのため、パッケージが変わった際に「前より開けやすくなった」という経験も起きやすいのです。

一方、アメリカの人々はすでにパッケージや容器を開けるためのライフハックを身に付けているので文句を言う人が少なく、企業も特に改善する必要性を感じていないのでしょう。しかし、文句を言わないだけでパッケージの開けにくさにイライラする人はアメリカ国内でも多いようです。様々なものが便利になっていく時代なのでパッケージに使い勝手に対する意識も変化しており、朋和産業株式会社はそこに狙いを定めたのでしょう。

まとめ:朋和産業(HOWA Packaging, Inc.)の進出によりアメリカのパッケージの変革を期待

売れる商品のパッケージはデザインだけではなく、使い勝手の良さにも配慮されています。朋和産業株式会社は売れる商品を目指し、使い勝手の良さにも配慮したパッケージ作りを通じて企業をサポートしています。アメリカに営業拠点が誕生したことで、朋和産業株式会社が強みとしているサービスを海外でも提供可能となりました。

HOWA Packaging, Inc.をきっかけに、アメリカ企業の製品パッケージにも新たな変化が訪れる可能性があります。新会社の事業も含めて、今後の朋和産業株式会社の事業展開に注目してみてはいかがでしょうか。

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